黒鉛の削り跡

アニメ見たりアニソン聴いたりした人が書いています。

生徒会役員共2とジョゼと虎と魚たち

 

2021年初映画

生徒会役員共2とジョゼと虎と魚たちを見てきた。

今年は見た映画の感想を少しだけ書いて置こうと思ったので、ここに書いておく。

生徒会役員共2


「劇場版 生徒会役員共 2 」 | 生徒会役員共 | 予告

king-cr.jp

GoHands制作のPG12+なアニメ。

このシリーズが10年間もやってたことが驚きである。

確かに全ラやマッパはよく聞いたなぁと哀愁に浸りながら、輝かしい新年1本目の映画を見てきた。

日常系アニメの極北とも言えるこのアニメを、またスクリーンで見られるということに感謝しながら、変わってしまった日常に思いを馳せながら。

内容はいつもどおりの生徒会役員共で、OPは二期から続投の「花咲く☆最強レジェンドDays」。

アップテンポで味の濃い楽曲で、このアニメを代表する楽曲だろう。

花咲く☆最強レジェンドDays

生徒会役員共といえば1期の「大和撫子エデュケイション」や「蒼い春」こそ至高という方々もいらっしゃるだろう。

個人的にはミライナイトが好きです。

内容はネタバレになるので言及は避けるが、ネタバレもクソもいつもどおりなので気楽に見に行ってほしい。

サラウンドバックで流れるモブの会話が今回も尖っているので必聴。

そういった劇場版ならではの遊びも欠かさないあたりが、この映画の”らしさ”を際立たせている。

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GoHandsといえば「K」かこのアニメか、というレベルになっている気もするが、完全納品する稀有なアニメ制作会社ということで非常に作画のレベルが高い(他は京アニくらいか)。

背景描写と撮影の非実在なリアル感が特徴的で、見ている人間を特有のセカイに誘ってくれる。

作品の温度差は違えど、同じ制作会社が作っているということを強く印象付けられるような独特な香りが逆に我々を安心させてくれる。

「K」はかなり女性向けの色が強い作品になっているが、厨二病患者がコゾって好みそうな展開や用語が出てくるので時間があれば見るべき作品だと思う。

「K RETURN OF KINGS」オフィシャルサイト

特に劇場版はGoHandsの異次元戦闘作画がみれるため、そこだけでも見るべきであろう。

東京バビロンの新アニメも制作担当ということで、非常にキラキラした画面構成になるのだろうなぁと期待している。

今回もウオミーが可愛いので、絶対に見てほしい。

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ジョゼと虎と魚たち

joseetora.jp

ジョゼと虎と魚たち、これはヴァイオレット・エヴァーガーデン劇場版をループしまくっていた時に永遠に予告で流れるため、半分嫌いになりかけていた作品でもある。

ノラガミ」のタムラコータロー監督が指揮を執っているということで、あの作品の雰囲気を思い出しながら鑑賞に励んだ。

 

非常に良いアニメでした。

 

ジョゼと名乗る女性と大学生の主人公が繰り広げる青春ストーリー!

ストーリー自体も非常に良くまとまっている。

キャラクターの描き方がとても印象的で、メインの二人はもちろんサブキャラクターの良さを十二分に引き出しながらも、クドくない演出が目を引いた。

特に主人公の恒夫と同じバイト先の舞はいわゆる負けヒロイン的な立ち位置ながらも、その自身の気持ちと環境の変化を受け入れようとあがく姿は美しい。

というか声優の宮本侑芽は伝説のアニメ、GJ部天使恵役を努めた最強の役者なのでぜひ応援お願いします。

大体の俳優や芸人が声優を務めることは劇場版アニメにおいてはよくあることなので、見ている間に慣れていくものであるが、それでもその中に本職声優の方の演技が入ると落ち着いてみれるという部分は確実にある。

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女性陣がとても人間的であるのに対して男性陣は少し冷たく感情よりも理性で動くシーンが多く描かれている。

主人公の友人である隼人は特に顕著で、登場シーンこそ軟派な男のように見せながらそれ以降は友人を想い、他人を助け汎ゆることを察して行動できる理想の男性となっている。

主人公は夢一徹の熱い男ではあるのだが、それ以外に対する自身の感情はかなり軽薄に見えるように描かれている。

 このデフォルメされた人間の性の色が、作品を鑑賞する我々の気持ちにメリハリを与えてくれ、作中で発生する衝撃に対する我々の気持ちを整理する糧となってくれている。

ひねくれた女性陣にヘイトが向くことはなく、かといって男性陣に不甲斐なさを感じるような場面もない。

ヘイトが発生するとすれば、就職相談のオッサンくらいであり、見ている間に「ダイジョブだろう」という心の余裕を持てるのは映画を見る上でとても良いことだと思っている。

もちろん起伏はしっかりと付いていて、心の臓を握りながら見るシーンもあるのでそこも安心してほしい。

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キャラクターデザイン・総作監飯塚晴子さん。

禁書シリーズや妖狐×僕SS、クジラの子等で総作監やキャラデザを務める方で男性女性共に視聴者が心象風景に思い浮かべるキャラの動きをそのままに描き出しているように感じられる作画が印象的だ。

この作品はキャラクターそれぞれが自身の現実との向き合い方を模索する作品であり、キャラクターの内面を映像に出す演出は控えめでありながらも、各々の表情や仕草でその心境を書き出す描写はリアリティがあり、非常によい。

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音楽はEvan Call、それこそヴァイオレット・エヴァーガーデンの劇伴楽曲を担当されている作曲家だ。

上記に挙げた心象風景が少ない、という点はこの音楽でカバーされている。

込み上げる歓びや、無情を思う儚い気持ち、過ぎゆく時間への無常感、それぞれは心象風景やモノローグで語れることはないが、この劇伴楽曲がそれを想起される強さを奏でてくれる。

見終わったあとにサントラが欲しくなる映画は名作、これは絶対である。

アニメ映画 「ジョゼと虎と魚たち」 オリジナルサウンドトラック

ヴァイオレット・エヴァーガーデンを見すぎたせいで「あれ?これヴァイオレットで聞いたかな?」と思ってしまったことは否定しない。

 

空から女の子が降ってくるアニメを渇望している方、デートムービーが欲しい方、2020年に残してきたなにかを回収したい方、それ以外の方にもおすすめできる素晴らしい映画だった。

 ジョゼと虎と魚たち

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2020年のアニメ映画の総括を全くしていないが、「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」、「鬼滅の刃 -無限列車編-」、「劇場版 SHIROBAKO」、「魔女見習いを探して」、「映画 プリキュアラクルリープ みんなとの不思議な1日」等、昨年も名作が並ぶ良い年だった。

今年のアニメ映画にも期待しながら、正月休みを終わろうと思う。