貴方は「劇場版ポールプリンセス!!」を見なければならない
このページを開いた貴方は劇場版ポールプリンセス!!を見に行かなければならない。
なぜならこれは事件だから。
この作品はアニメーションを用いてポールダンスを描く初めての作品である。
聡明な貴君らは既にに鑑賞済みであろうかと思うが、万が一見に行くかどうか迷っている人間のためにいくつかの要素を紹介し、判断材料を提供したいと筆を取った。
基本的に全体の概要だけを記載したつもりではあるが、ある程度のネタバレはあるので、許容できる人は以下を読んでみてほしい。
そうでない人たちは明日のポールプリンセス!!の予約を取って映画館に行ってほしい。
この作品はポールダンスをメインとしている、つまり、ダンスと音楽の2つがコンテンツの根幹となる。
ダンスの部分については、先人たちが書いてくれているのでここでは音楽にフォーカスして紹介しよう。
楽曲が強い
サビだけであれば宣伝用Youtubeショート動画で聞けるのでさらっと聞いてみてほしい(曲本当に強い)。
純粋にポップスとしてはちゃめちゃにノれる楽曲を揃えてくれており、全て単体で聞いても満足できるクオリティのキャラクターソングとなっている。
しかし、この作品はそれに加えて「ポールダンスを魅せる」ことを意識した曲作りをしている。
全部で6曲披露されるが、全てアップテンポでありながらも、全て表情が違う。
そして、やはり最も特筆するべきはその展開だろう。
ここで披露される楽曲はキャラクターソングではほぼ見られることがない「ボーカルがない部分にもサビがある」構成になっている。
キャラソンの間奏といえば、かっこいいギターソロかドラムンベースっぽいハイテンションキックかの二択(言い過ぎ)だが、この作品の間奏はボーカルの繋ぎのためではなく、本気の演技を行うための時間、つまり楽曲中に最も盛り上がるべきポイントがサビに加えてもう一つ以上ある構成となっている。
普通の楽曲であれば、ボーカルが終わってアウトロに入り…というところからさらに盛り上がるリフが盛り返してくる。
あの瞬間は何にも変え難い体験だ。
BGMのような曲ならまだしも、コンテンツのメインであるボーカル楽曲自体もポールダンスの一部とする手法は今まであまり見たことがない。
こういった所謂アイドルのようにステージで曲を歌うタイプの作品は楽曲自体をメインにしがちであるが、ポールプリンセス‼︎は楽曲をポールダンスの一部に取り込んだ。
1曲だけ、主人公の曲だけ、であればまぁ理解できる。
しかしこの作品は6曲、しかも連続で畳み掛けてくる。
この見て聴いて楽しむ「激しさと美しさ」は体験するべき事象であり、映画館でこそ楽しめるアトラクションだ。
楽曲自体もavexサウンドで素晴らしい仕上がり、必ず見てほしい。
ストーリーをポールダンスで描くということ
歌詞の拘りも特筆するべきだろう。
ストーリーは超王道である意味薄味ではあるのだが、このストーリーを知った上で歌詞を聴くことに意味がある。
そもそもストーリー自体はWEBアニメ版と今回を合わせても通常のアニメの2〜3話分程度の進捗でキャラの深掘りなどはほぼ無い。
しかし、楽曲を聴くことでそのキャラの背景や思いが伝わるような作りとなっている。
つまり、作品のストーリー自体がポールダンスと音楽で表現されるシーンの一部となっているのである。
絶対王者である御子白ユカリ様の孤独と挑戦、それは王たるものの歌である「PRIDE」と自身を示す「Saintly」を組み合わせた貴賓あふれる曲。
ダンス自体のインパクトが物凄いが、楽曲も非常に重く熱い楽曲である。
今回のギャラクシープリンセス側のメインとも言えるリリカとスバルのダブルスは、力強い友情を歌い上げる。ユカリと紫藤サナのダブルス曲は敬愛と恋慕の歌。
自身の弱さを克服したヒナノは劇場版での更なる挑戦とポールダンスの煌めきを伝えてくれる。
一方、東坂ミオは海に潜りながらSDキャラを召喚し、蒼唯ノアは剣を燃やしながらブンブン振り回していた(曲が難しくないか?)。
ストーリーとシーンが融合している作品は世にたくさんある。
しかし、ストーリーの補完を楽曲で、いや、楽曲の補完をストーリーで行うような作品は珍しい。
60分という限られた時間で描ききれない物語を歌詞によって伝えてくれる。
ポールプリンセスは一見すると前半ストーリー・後半ライブパートといった構成のように見えるが、実際は全編を通じてポールダンスを演じているミュージカル作品なのである。
ポールダンスを魅せるために
ポールダンスシーンの3DCGは2Dライクな作画の頂点に近い。
ダンスとは人体を魅せるものであり、そこに嘘があれば我々はすぐに気づけてしまう。
ポールダンスの周囲には様々な嘘が散りばめられているが、ダンス自体に嘘はない。
そして、語らずにはいられないのがクオリティが半端ではない衣装だろう。
結局ポールダンスってエッチなやつなんでしょ?というステレオタイプな概念に挑戦するために最も必要だったのは、この衣装だろう。
ユカリ様のマントは王の威光を讃えるが如く動き回り、その姿は王旗のように光り輝く。それは正に永遠のワルキューレハートを跳んだ蓮城寺べるのようにも見えた(オタクの幻覚)。
いや、ワルキューレハートで打ち立てられた旗をよりも高い位置に自身を旗とすることで彼女は超えた。
つまり、蓮城寺べるよりも高いところにいたのでこの勝負はユカリ様の勝ちってことで。
東坂ミオは衣装そのままに水中にいるような柔らかな表現は「その手があるのか」と感心させられる。
ヒラヒラさせるだけではないストリート系のような衣装のリリアとスバルは四肢の形とポールの回転を組み合わせた三次元的な肉体芸術を見せてくれる。
主人公であるヒナノは、まさに空を飛んでいるが如く足を地に着けない。AILE D'ANGEのような激しいテクニックはないが、ハツラツとした動きときらめきによって夜空のような衣装と背景が一体化し、愛情で我々を包んでくれる。
刀の人は剣を燃やしてくれるし、目の色変わるしすごい。
ポールダンスによって二次元アイドルコンテンツのステージ表現が囚われていたZ軸方向の壁を突破した。
モーションキャプチャによって作られる現実のポールダンスモーションと、虚構の世界でしか生まれえないステージ演出表現を組み合わせられるのは3DCGしかない。
天下の東映すらあのダイナミックな動きをつけることはできないんじゃないかと思わせるような美しい肉体的な表現、しかし、それが再現可能というのもまた恐ろしい。
様々な要素が全てポールダンスを魅せるために存在しており、作品に関わる全員がその目標に向かって全力疾走しているように感じられる。
やりたいことを実現させるために作品全体のフォーカスを一点に定める方法は我々のような存在にピッタリハマる。
このような作品が評価されない世の中では、私が見たい作品が生まれえない。
頼むから見に行ってくれ。
YoutubeでWebアニメとして展開されている劇場版前となるストーリーでもクライマックスにしっかりとポールダンスがある。
しかし、初見であればまずはそれを見ずに劇場版を見てほしい。
個人的には以下である。
ポルプリ、WEB版のダンスパートは正直まだこれから感があったけど、劇場版で本当に完成させたのが凄い
— がくふぁ (@gurafa) 2023年11月25日
本編はここで見れるので見てね
小物の動きやポールが示す意味などは他のオタクが語ってくれるであろうからここでは言及しなくてもよいだろう。
こんなブログを読んでいるお前らはどうせこちら側なのだろうから、早く見にいけ。
筆者はまだ2回しか見ることができていないため、不鮮明な記憶で書いている部分もある。
思いついたらまた加筆するつもりだ。
御子白ユカリについて2億行書きたいがとりあえず今はこのあたりで。
ポールプリンセスじゃない方のジャパンカップはイクイノックス本命です。
スタッフコメントも必見なのでみんな読んでおこう。